踏んばり屋

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80年代のバブル期に写真植字屋を経営し、夜遊びに更けていた。
その名残は今も彼のファションセンスに滲み出る。
----何げに今時のサングラスをかけては流行にあわせたりする
僕にとっては、時代の縦軸のような存在-----中肉中背のS氏。

時は90年代前半に差し掛かって、"デジタル文字"は業界の主流になるのを見て
彼は写植業を畳んで、バソコンを手に入れ、華麗にDTPデザイナーに変身した。
(同時期にパソコンにシフトしていなかった多くの素晴らしいデザイナーはそのまま、
時代に捨てられていきましたが...)

"君のデザインはインチキだよ"、
"大体君は余計なことするから、デザインは良くならないんだよ"
は、彼と飲みの席にかけた言葉の定番。
"絶対お前のデザインを超えてやるよ"。と、彼は白髪まじりの頭を振りながら
強い口調で言った捨て言葉。

その後は和やかに飲み続き
気持ちが良く酔うと隣の席にいる子に色目を使い始め、
相手にされないとそのまま寝込んでしまう。
・・・いつ? どうやって横浜より以南にある自宅に戻ったかを
誰も知らない。

90年代後半にWebの仕事の割合が多く占めるようになって来ると
彼はWebデザインとコーティングにチカラを入れ始め
知らぬ間に仕上がりの奇麗さにびっくりし、
"あのトシにしては・・・"と仲間内は密かに感心させている。

彼は現在60代の手前
羽ばたくのには、目が悪くなり、アルコールも控え目にし
記憶力も落ちているとか。気の強さは相変わらずだ
ただいま、インストラクターを勤め
"孤独の若者"に"パソコンでデザインする"のを教えている。

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